過去の津波被害の経験から高台移転が進み、他地域とは比べようがないほど少ない被害であったため「奇跡の集落」として、世界中に報道された村ですが、昭和8年の昭和地震津波では海岸から200mも打ち上げられた石(重さ約32トン)には「津波記念石 前方約二百米突吉浜川河口にアリタル石ナルガ昭和八年三月三日ノ津波に際シ打チ上ゲラレタルモノナリ重量ハ千貫」と刻まれており、津波の威力を後世に伝える貴重な石にもかかわらず、その後の道路工事で地中に埋められたままになっていました。
しかし、奇跡のようにその石が、半世紀後の東日本大震災の津波で姿を見せることになったのです。