石碑めぐりコラム
東日本大震災では、先人たちが、津波のことを後世に伝えるために多くの石碑を建立していたことを、尊い人命を失った後に私たちは知ることになりました。
青森、岩手、宮城の3県において過去3回の津波(明治三陸地震津波、昭和三陸地震津波、チリ地震津波)で建立されたものが、約300基も残っています。(国土交通省資料)
津波に関する石碑は、東北だけではなく、四国、和歌山、大阪市内、さらには日本海側まで存在しています。
陸前高田市広田町の石碑には「津波を聞いたら、欲捨て逃げろ」「低いところに住家を建てるな」など貴重な言葉が記されていましたが、大きな被害になったのは、それらの石碑より海側で避難訓練や避難所の設置を行なっていたのです。
その根拠は、学者の先生方が予想した津波予想をもとにした防災計画であり、先人たちの石碑を活かさなかった結果でした。
石碑を巡ることにより、石碑から先人たちの声が聞こえてきそうです。
その声を少しでも多くの人にお伝えしたいと思います。